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The World Bank

2022年12月15日、開発パートナーのグローバル連合は、低所得国におけるコロナ危機への対応と、環境に配慮した強靭で包摂的な未来の実現を支援するため、国際開発協会(IDA)による930億ドルの増資パッケージを発表しました。この資金は、52の高・中所得国からの総額235億ドルの拠出、資本市場で調達された資金、返済および世界銀行の拠出の合計です。

IDA第20次増資(IDA20)の最終会合は、日本の主催で、2021年12月14日~15日にオンライン形式で開催されました。この融資パッケージは、IDAの61年の歴史の中で最大規模の動員です。 IDAの独自のレバレッジ・モデルにより、ドナー国の資金からより大きな価値を生み出すことが可能となり、ドナー国からの拠出金1ドルに対して4ドル近い支援が最貧国に提供されることになります。

IDA20プログラムは、コロナ危機がもたらした負の影響からの回復支援を重点分野とし、これらの資金は世界の75の最貧国に提供されることになります。 こうした国々では、今なお続くパンデミックにより、貧困が深刻化し、経済成長が阻害され、強靭で包摂的な開発の展望が脅かされています。各国は歳入の減少、債務脆弱性の高まり、脆弱性・紛争・不安定リスクの上昇、識字率の低下にも苦しんでいます。さらに、IDA借入国の約3分の1には食糧危機が迫っています。

各国が環境に配慮した回復を実現できるよう、かなりの額が、気候変動の影響への適応や、生物多様性の保全を中心とした気候変動対策に提供されます。IDAはまた、各国がパンデミックや金融危機、自然災害といった将来の危機への備えを強化できるよう、支援を拡充していきます。世界の国々がIDA20の支援を受けますが、特に大きな恩恵を受けることになるのがアフリカ諸国で、資金の約70%が充てられます。

IDA20プログラムには、教育、保健、栄養、ワクチン、セーフティネット、障がい者支援などの人的資本分野が各国の優先的投資対象となるよう支援するという、これまで以上に積極的な政策コミットメントが含まれています。 IDAはまた、ジェンダー格差、雇用創出、サヘル地域、チャド湖、アフリカの角といった地域における脆弱性・紛争・暴力など、他の主要な開発課題にもより積極的に取り組んでいきます。 ガバナンスと組織・制度、債務の持続可能性、デジタル・インフラ整備にも引き続き重点的に取り組むことで、包摂的な経済・社会の実現を支援していきます。

IDA第20次増資交渉は、IDA借入国の喫緊の開発ニーズを満たすために、1年前倒しで行われました。IDA20の対象期間は2022年7月1日から2025年6月30日で、その政策枠組みはIDA19の強固な基盤に立脚しており、これまで以上に積極的かつ今日的課題に対応したものとなっています。

 

 更新日: 2023年5月24日