IDAからの融資適格性を有する最貧国は現在、輸出収入の10分の1（英語）以上を長期の公的債務および公的に保証された対外債務の返済に充てており、この割合は2000年以降で最大となっています。IDA借入国における公的債務および公的に保証された対外債務の構成は、パリクラブ参加国以外の債権者からの非譲許的な対外融資と市場ベースの債務に移行しています。また金利の上昇と世界経済の減速により、多くの国が債務危機に陥るリスクが高まっています。
世界銀行は、新型コロナウイルスや複合的危機によって悪化した債務脆弱性の深刻化を緩和するために、IMFをはじめとする国際機関とともに、前例のない金融i支援（英語）に着手しました。IDAは、持続可能な債務を支援するプロジェクトへの融資を継続し、各国が透明で持続可能な融資に移行するよう促し、債権者間の協調を促進するための持続可能な開発金融政策を実施しています。
持続可能な開発金融政策の下で、世界銀行が借入国政府、貸し手、格付け機関、国際開発金融機関（MDBs）、市民社会の間で、共同行動の強化とより緊密な調整を促進する招集者の役割を発揮し、一連の債権者アウトリーチ・イベントが実施されました。その一環として、以下の通り、グローバル、地域、国の各レベルでの取組みが進められました。
- カリブ海地域（英語）（2023年2月）
- シエラレオネ（英語）（2022年12月）
- ウガンダ（2022年5月）
各国の債務持続可能性を支援するIDAの他の事例として、以下が挙げられます。
トンガ（英語）では、防災グローバル・ファシリティ（GFDRR）と協力して、新たな中期債務管理戦略や政府保証政策の採択などを通じて、自然災害や気候関連のリスクに対する強靭性を強化するため、800万ドルの緊急資金を提供しました。
シエラレオネ（英語）では、IDAが支援する1億ドルの開発政策融資グラントの対象に、債務の透明性と国有企業のガバナンス改善に関する重要な改革が含まれています。その基盤となっているのは、同国の持続可能で強固かつ包摂的な成長を支援するためのプログラム的改革計画です。
更新日: 2023年4月9日
