IDA17の4つのテーマである気候変動、ジェンダー、脆弱国・紛争の影響下にある国、弱者に配慮した成長は、借入国の成長の触媒となるような財政と知識を提供するIDAの支援にとって重要です。
- 弱者に配慮した成長 最も貧しく最も不利な立場にある人々を含めて、人口全体に成長の機会と恩恵が広く行きわたるようにしながら、IDA借入国の成長のモメンタムを維持することが必要です。IDA17は(1)雇用の創出、(2)金融包摂、(3)天然資源価値という、弱者に配慮した成長にとって重要な3つの要素に特に重点を置いています。
- ジェンダー IDA借入国はジェンダーの平等(女児の就学者数の増加)の面で進歩を遂げているものの、特に妊婦の死亡率を低下させ経済面での女性のエンパワーメントを強化するためには、まだ多くのことが必要です。IDA16の成果を踏まえて、プログラムマネージャーは国、地域、企業レベルでのIDAの活動においてジェンダー統合の目標を引き上げ、女性の経済的エンパワーメントで重要性が特に高いにも関わらず出遅れている経済分野を特に重視していきます。
- 気候変動 IDA借入国では気候関連のリスクに対して住民、その資産と生計手段への脆弱性を低下させる喫緊のニーズが高まっています。今後10年間は、IDA借入国が気候変動と自然災害のリスクに対して強靭な方法で成長するために重要です。IDA借入国での投資の強靭性を強化するためには開発コストが25~30%追加で必要になると推定され、特にサブサハラのアフリカと小島嶼国で最大の増加が見込まれます。気候変動にまつわる課題に対処するためには、低所得のIDA借入国を中心に制度面の能力を強化することも必要です。こうした中、IDA17は国の戦略とプログラムにおいて気候と災害のリスク管理を一段と強化し、気候変動の緩和や適応に活用されるIDAリソースのモニタリングと報告を強化しています。
- 脆弱国・紛争の影響下にある国 近年、IDAは脆弱国と紛争の影響下にある国のオペレーションと財政面の支援を強化するうえで大きな進歩を遂げました。IDA17には、脆弱国と紛争の影響下にある国に関する柔軟性の高いオペレーション政策、これらの国々で働く適格スタッフへのインセンティブ、国際金融公社(IFC)や多数国間投資保証機関(MIGA)との連携強化、新たな機会への対応を強化するためのIDAの配分枠組みの全面的な見直しが含まれています。
IDA17次増資の特別テーマ(英語)