経済成長には、社会を変え、所得向上を促すと共に、人々に繁栄をもたらす力があります。とは言え、経済成長さえ達成されれば良いというわけではありません。貧困を削減し繁栄の共有を促進するには、全ての人々に質の高い仕事を数多く創出するような成長が必要です。具体的には、金融アクセスの改善、技術研修の強化、力強い民間セクターの支援、持続可能なインフラの構築を進めることで、最貧国の人々に雇用を提供し、ひいては貧困削減への筋道をつけることができるはずです。(「アルファベットでみるIDA:雇用と経済的変革」をPDF形式でダウンロード)
途上国が直面している課題はとてつもなく大きなものです。世界全体で若者を中心に1億7,300万人以上が失業中(2018年末現在)であるだけでなく、生産年齢人口の内20億人(大半が女性)が労働市場から閉め出されたままです。就業率を引き上げ労働市場に参入する若者を吸収するには、2030年までに約6億人分の雇用創出が必要であり、そのためには、民間セクターの成長が不可欠です。
経済の変革には、仕事の質、内容、そして職場やその進め方に変化が求められます。単に職に就くだけでは不十分です。必要となるのは、整った労働条件、より生産性の高い仕事、そして社会保障の充実です。更に、正規部門での雇用を可能な限り多く創出すると共に、非正規部門でも仕事の生産性と所得の向上を図ることが不可欠です。世界銀行が行った雇用に関する分析によると、経済的変革の進捗度合次第で、雇用創出の範囲や、雇用がもたらす生産性と所得の伸びが決まることが明らかになっています。
国際開発協会(IDA)はこれまで、雇用創出と所得向上をもたらす経済成長と投資を支援し、大きな成果を上げてきました。
IDAは経済成長の促進と雇用創出1を目指した各国の取組みを支援すると共に、ジェンダー、気候変動、ガバナンス・組織制度の構築、脆弱性・紛争・暴力といった課題にも取り組んでいます。各国の主な成果についてもご覧ください。
http://ida-ja.worldbank.org/abcs
1 本ページでご紹介する国々は、IDAの適格国です。詳細は、下記のリンクをご覧ください。
IDAの借入国: http://ida-ja.worldbank.org/about/borrowing-countries