アルファベットでみるIDA – 雇用ならびに経済的変革

ABCs of IDA - Jobs and Economic Transformation

経済成長には社会を変革し、所得を拡大し、さらに国民の成長を可能にする力がありますが、単に経済を成長させるだけでは十分ではありません。貧困を削減し、繁栄の共有を促進するためには、経済成長によって、より多くの良質かつ貧困層に配慮した雇用を創出する必要があります。金融サービスへのアクセスの改善、技能研修の強化、民間セクターの強化支援、および持続可能なインフラの構築が人々と雇用機会を結びつける後押しとなり、最貧困国における貧困撲滅を支援します(「アルファベットでみるIDA:雇用ならびに経済的変革」(英語)をPDF形式でダウンロード

途上国は非常に広範な課題に直面しています。世界中で2億人以上の人々が失業しており、その多くは若年層です。また、労働年齢の成人20億人が労働力の対象外となっており、その大半は女性です。途上国は人口増加に対応するために、今後15年間に6億人分の新規雇用を創出する必要に迫られています。20億人の成人がいまだ正規の金融サービスにアクセスできない状態にあり、電力にアクセスできない人々は世界中で11億人に上ります。

経済的変革とは仕事の性質を変える、すなわち仕事の内容、働く場所、働き方を変えることです。世界銀行が実施した雇用診断によって、経済的変革の進捗度合いが、雇用創出が拡大する範囲と生産性や所得が向上する度合いを左右することが明らかとなっています。

世界銀行の最貧国向け基金である国際開発協会(IDA)は経済成長と投資に対して支援を行うことにより、雇用創出や所得拡大において大きな成果をあげています。

2011~2015年にかけて、IDAは102,000キロメートルの道路建設を支援しました。2010~2014年には、パキスタンで630万人がマイクロクレジット融資を受けています。アフガニスタンでは2013~2015年にかけて25,000人以上に職業訓練を行いました。

ここでは、IDA支援の下、経済成長の促進および雇用の創出を目指す各国の取り組みをまとめています。この他にも、IDAの活動全般や、アフリカ、ジェンダー、気候変動、ガバナンスと組織制度の構築、脆弱性・紛争・暴力に関するIDAの支援を国別にまとめた「アルファベットでみるIDA」シリーズをご覧ください。


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A

アフガニスタン

  • 2003~15年、給水・衛生、農村道路、灌漑、電力、保健医療、教育の改善のためのプロジェクトを含む86,000件の小規模な復興開発活動を特定・実施するため、「国家連帯計画(NSP)」と、IDAをはじめとする31のパートナーが地域開発審議会と協働。このプログラムを通じ、熟練労働者と単純労働者に5,200万日分の雇用を創出し、秘密投票で民主的に選出した33,400の地域開発審議会を全国に設立。
  • 2013~15年、技術職業訓練学校の生徒を対象とする職務技術の習得と所得向上を図るプログラムにより、25,696人が恩恵を享受。
  • 2011~15年、中小企業434社が事業開拓のための贈与を受け、1,385件の雇用を創出。
  • 2012~15年、アフガニスタン全体で、全長732キロの第三種道路と、そこにかかる橋梁825メートルを完了。同期間に、3,000キロを超える第三種道路を修復。
  • 2010~15年、地方企業の支援を通じて69,427人に持続可能な雇用機会を提供。プロジェクトの受益者のうち42%は女性、95%には金融サービスへのアクセスも提供。プロジェクトが支援した中小企業の41%(このうち14%は女性が所有する企業)の収益が増加。

B

バングラデシュ

  • 2011~15年、農村生計向上プログラムの受益者の61%が所得を50%増加。同期間に、48,780件の雇用を若者のために創出。
  • 2012~14年、現金給与の雇用160万日分を創出。
  • 2011~15年、8社がバングラデシュ経済特区の開発ライセンスを取得し、2015年時点で5カ所の新規経済特区および技術地区の開発が進行中。経済特区の事業登録手続きの所要日数は2011年の44日から2015年は8日間に短縮。 

ベナン

  • 2005~12年、75万人がコミュニティ主導のプロジェクトによる恩恵を享受し、16万人の児童が新たに就学し、25,000人が清潔な水へのアクセスを確保。

ボリビア

  • 2008~14年、生産性向上を目指す団体を通じて、2,891世帯(大半が先住民)が、合計151,579ヘクタールの土地で作物を栽培し、家畜を飼育して、平均世帯所得が39%増加。農業技術や経営技能の研修参加者のうち38%は女性であり、同プロジェクトを通じて設立された団体の74%で女性が幹部として活動。
  • 農村部で16,000以上の世帯が、自主運営の草の根組織を通じた自作農による市場アクセス改善プロジェクトの恩恵を享受。
  •  「農村連合プロジェクト」により、110の地方自治体で770の生産者組織を支援し、29,000世帯(内90%は先住民)が恩恵を享受。このプロジェクトに参加した世帯の所得が33%増加。

ボスニア・ヘルツェゴビナ

  • 2010~15年、雇用サービスと対象を絞った現金給付による恩恵を11,400人が享受。研修と雇用助成を受けた人々の55%の雇用が、研修または雇用助成の終了後も1年間にわたり継続。

ブルキナファソ

  • 2012年半ば時点で、新たに創出された正規雇用は9,741件。2014年末時点で、総合登記所での事業登記数は70,624件。

C

カンボジア

  • 2009~14年、台風「ケッツァーナ」による被害からの復興支援の一環として、農村部に暮らす91,500人に整備された水源へのアクセスを提供し、全長615キロの道路を修復。
  • 貿易開発支援プログラムにより貿易政策の策定能力が向上し、国内のビジネス環境が改善。世界銀行グループが毎年発表するビジネス環境ランキングにおける順位は2015年の133位から2016年の127位に6位上昇。貿易インフラおよび輸出入制度の効率性改善により、物流パフォーマンス指標ランキングも2010年の129位から2014年は83位と、順位が46位上昇。

コモロ連合

  • 世界的な危機および2012年の洪水に対応するために実施されたIDA緊急融資による「労働の対価としての現金給付」と「コミュニティ主導のインフラ整備プロジェクト」により、71,000人以上が直接の恩恵を享受。

コンゴ民主共和国

  • 2014年2月~12月、コンゴ東部で学校、給水所、橋などコミュニティ・インフラの再建により69,017人が直接的な恩恵を享受。
  • 2011~15年、全長1,765キロメートルの道路など、農村インフラの建設により、500カ所の村が恩恵を享受。
  • 2014年2~12月、東部州の脆弱なコミュニティの住民69,017人のために生計手段および社会経済インフラへのアクセスを改善。対象セクターは保健・教育、インフラ修復および農業。受益者のうち36,441人が女性。

コンゴ共和国

  • 2010~15年、首都ブラザビルとポワント・ノワールで875,000人が水・電力・都市開発プロジェクトの恩恵を享受。395,000人が、安全な水源へのアクセスを確保し、40万人が整備された下水サービスと全天候型道路へのアクセスによる恩恵を享受。

コートジボワール

  • 2012~15年、農村道路634キロを修復。
  • 2008~2012年、元兵士、武器を所有していた個人、危機的状況にあり社会から阻害される可能性のある若者など18,000人が社会復帰。
  • 2008~12年、74の地方事務所が建設されると共に、労働集約型の手法により農村道路65キロを修復。

E

エチオピア

  • 2000~11年、継続的な高い経済成長を背景に、IDAが支援する農業生産性向上プロジェクトや、基本的サービスへの歳出、効果的セーフティネットにより、貧困率が44%から29.6%に低下。
  • 2014~15年、農村部に暮らす110万人がより安全な水へのアクセスを確保。
  • 2010~15年、観光業において5,500件以上の雇用を創出。キャパシティ・ビルディングの取り組みにより、1,600人を超える専門家への研修を支援し、海外からの観光客の消費金額が30%以上増加。

G

ガーナ

  • 2010~15年、合計123,106人の単純労働者(うち約60%は女性)に、590万日分の雇用を提供。
  • 2015年、支線道路589キロの建設、134基の小規模な土堰堤と地下壕の建設、80件の気候変動対策を完了。

K

ケニア

  • 2015年、世界銀行、成果連動型援助のためのグローバル・パートナーシップ(GPOBA)、ケニア電力会社のパートナーシップにより、ナイロビの貧困地区に暮らす15万世帯に安全で割安な電気を安定供給(2014年はわずか5,000世帯)。
  • 2007~15年、農村コミュニティ・エンパワーメント・プロジェクトを通じ、農村部の200万人以上の所得が向上。

キルギス共和国

  • 2009~14年、3,902世帯のコミュニティ給水所へのアクセス取得、既存の家庭用水道設備1,000カ所の改善、226のコミュニティ配水塔の新設・修復により、83,000人が恩恵を享受。さらに、44の学校が水へのアクセスを確保。

L

ラオス人民民主共和国

  • 2010~15年、全長171キロの2本の国道が整備され、移動時間がそれぞれ60%と40%改善。同じ期間に、全長731キロの農村道路と全長456キロの非農村道路を整備。

レソト

  • 2014~15年、国のビジネス環境改善、金融アクセス拡大、選ばれた非繊維セクターの開発による国の経済多角化のためのプロジェクトの下、28,616人が恩恵を享受。

リベリア

  • 2011~15年、道路の改修・維持のためのプロジェクトの下、10,800時間の実地研修を実施。

M

マリ

  • 2009~15年、都市部の160万世帯に電力アクセスを確保し、370万人が恩恵を享受。
  • 2007~15年、農村人口の内、季節を問わず通行可能な道路へのアクセスを持つ人の割合が、32%から45%に改善。

モルドバ

  • 2014~15年、輸出志向型企業への年間平均融資が57%近く増大。

モンゴル

  • 2007~13年、教育、保健、牧地管理、小口融資のためのサブプロジェクト6,000件を通じて、農村コミュニティを支援。

モザンビーク

  • 2007~15年、都市部の795,508人が安全な水資源へのアクセスを確保。
  • 商業ライセンス発行の所要日数が2009年の42日から2015年は7日間に、工業ライセンス発行は2009年の32日から2015年は13日に短縮。同期間に、マッチング・グラント・プログラムの恩恵を享受した企業の売上は約10%増加。

ミャンマー

  • 2013~15年、学校施設や村のアクセス道路の改善を図るインフラ・プロジェクトとサービス・プロジェクト1,800件により、1,729の村落に暮らす85万人が恩恵を享受。

N

ネパール

  • 2015年8月時点で、職業訓練プログラムの修了生の73%以上が、6カ月間以上の有給の仕事を確保(2014年3月には68%)。
  • 2011~15年、54,821人(内45%が女性で、53%は恵まれない層の出身)が都市サービスとインフラの向上による恩恵を享受。
  • 2008~14年、灌漑整備・改善を図るIDAプロジェクトにより、415,200人以上の農民の水資源アクセスが改善。新規または修復後のシステムの稼働地域は、主に丘陵地帯の土地26,859ヘクタール。

ニジェール

  • 2011~15年、180万日分の臨時雇用を創出。内477,630日分は女性が対象。
  • 農産物の輸出力強化と輸出拡大のためのプロジェクトにより、126,341人が恩恵を享受。

P

パプアニューギニア

  • 2011~15年、農村部で50万人が携帯電話サービスへのアクセスを確保。
  • 2010~15年、コーヒー豆とカカオ豆を栽培する34,000軒の自作農が、生産性向上、農作物病害対策、市場に関する情報提供の拡充を通じて、農家の農作物収入拡大を図るプロジェクトの恩恵を享受。同プロジェクトにより、2011~14年にカカオ豆とコーヒー豆の収穫高が2倍以上に拡大。
     

R

ルワンダ

  • 2009~15年、412,000世帯を送電網につなぎ、全長3,000キロの送電線・配電線を敷設することで、安定供給される費用効果の高い電力に市民のアクセスを確保。

S

セネガル

  • 2012~15年、国内で423,000人の農業生産者と加工業者が、改良型農業技術の開発、普及、導入による恩恵を享受。
  • 「西アフリカ農業生産性プログラム(WAAPP)」の下で、多収性で成長が速く、干ばつに強いキビ、モロコシ、ササゲの14の新品種に着目して、気候変動に対応できる農業について研究を実施。
  •  「西アフリカ農業生産性プログラム(WAAPP)」を通じて博士課程の学生99人と修士課程の学生71人が、科学分野でキャリアを築き、農業研究が進んでいない分野の遅れを取り戻すべく活躍できるよう支援。

ソロモン諸島

  • 2010~14年、電話の普及率が8%から60%に増加し、携帯電話による3分以内の市内通話の料金は、1.20ドルから13セントに低下。
  • 2010~16年、コミュニティでのインフラ建設を通じ、脆弱なコミュニティ出身の若者12,000人を雇用し、全国で664,000日分以上の雇用を創出。被雇用者全体の60%は女性、16~29才の若者は53%。

スリランカ

  • 2008~14年、道路セクター支援プロジェクトの下で、全長160キロ近い農村道路を含め、全長620キロの道路を再舗装。2005~13年、整備の行き届かない国道の割合は、52%から35%に減少。
  • 2010~15年、北部州と東部州における地域サービス改善プロジェクトの一環として、全長645キロの道路を建設・修復、新たに600世帯に水道を確保。400の給水所を設置・修復。

T

タンザニア

  • 2005~15年、公共工事で提供された労働が、540万日から213%増の1,690万日分に増加。

トンガ

  • 2011~15年、インターネット・アクセスを持つ国民の割合が、1%から50%に向上し、携帯電話サービスにアクセスを持つ国民の割合が、59%から96%に増加。

V

ベトナム

  • 2011~14年、電力普及率が、60%から98%に改善。同期間に、遠隔地の農村部325,000世帯も電力アクセスを確保。

2016617日更新