アルファベットでみるIDA – ガバナンスと組織・制度の構築

ABCs of IDA - Governance and Institution Building

 

貧困削減と開発で成果を上げるためには、よいガバナンスと説明責任を備えた強固な組織・制度が不可欠です。

世界銀行の最貧国向け基金である国際開発協会(IDA)は、より効果的に支援を行うことができるようなシステムを構築しています。IDAは、各国の担当省庁や政府機関、その部局などと協力して、公的機関の支援や資金調達を進めています。幅広いガバナンスの課題に関しては、立法機関、司法機関、および国民に対する説明責任や社会参加を促進する機関と協力しています。(「アルファベットでみるIDA: ガバナンスと組織・制度の構築」をPDF形式でダウンロード

その結果、各国政府の透明性と市民に対する説明責任が向上すると共に、汚職の可能性が減少し、サービスの提供が改善されています。パキスタンでは税徴収額が増加し、チャドでは予算の透明性が向上しています。このように、市民に対するサービスが充実し、市民が積極的に参加することで、効果的な公共セクターが機能します。

IDAは、各国が成果を持続させ、自国の開発を自らの資金で賄えるよう、長期的な成長と機能強化を重視しています。

雇用創出、清潔な水へのアクセス、教育、道路、栄養、電力などの支援を通じて、何億もの人々が貧困から抜け出しています。過去5年間、IDAの融資により、予防接種を受けた子供は2億500万人、より改良された水源へのアクセスを確保した人は5,000万人、医療サービスへのアクセスを得た人は4億1,300万人に上ります。

ここでは、IDA支援の下、成果持続に向けた強固な組織・制度の構築を目指す各国の取組みをまとめています。この他にも、IDAの活動全般や、アフリカ、ジェンダー、気候変動、脆弱・紛争国に関するIDAの支援を国別にまとめた「アルファベットでみるIDA」シリーズをご覧ください。


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A

アフガニスタン

  • 2003~15年、給水・衛生、農村道路、灌漑、電力、保健医療、教育の改善のためのプロジェクトを含む86,000件の小規模な復興開発活動を特定・実施するため、「国家連帯計画(NSP)」と、IDAをはじめとする31のパートナーが地域開発審議会と協働。このプログラムを通じ、熟練労働者と単純労働者に5,200万日分の雇用を創出し、秘密投票で民主的に選出した33,400の地域開発審議会を全国に設立。
  • 2011~16年、アフガニスタンの5つの政府機関がコンピュータおよびモバイル・アプリケーションを導入したことで、公共サービス普及率とアクセスが向上。また、2015年、同プロジェクトの下、政府のサービスを提供する部署の最高情報責任者(CIO)と担当官140人の研修を実施。

B

バングラデシュ

  • 財政システムの効率と透明性を強化するIDA支援プロジェクトにより、自治体政府の説明責任が向上。2011~15年、女性の内、自治体政府が地域の優先課題に対応したと答えた人の割合が40%から59%に増加。さらに2015年、78,132人の地方公務員がコミュニティ主導型の能力向上活動に関する研修を受講。

ボリビア

  • 2008~14年、生産性向上を目指す団体を通じて、2,891世帯(大半が先住民)が、合計151,579ヘクタールの土地で作物を栽培し、家畜を飼育し、平均世帯所得が39%増加。農業技術や経営技能の研修参加者の38%は女性であり、同プロジェクトを通じて設立された団体の74%で、女性が幹部として活躍。
  • 農村部で16,000以上の世帯が、自主運営の草の根組織を通じた自作農による市場アクセス改善プロジェクトの恩恵を享受。

ブルキナファソ

  • 2012年半ば時点で、新たに創出された正規雇用は9,741件。2014年末時点で、総合登記所での事業登記数は70,624件。
  • 起業の所要日数が、2004年の45日間から現在は3日間に短縮。建築許可取得の所要日数も、2006年の260日から30日に短縮。
  • 2014年末時点で、総合事業登記所での発行済み建築許可証は4,224件。
  • 商業的採掘事業の内、2015年に採択された全国環境ガイドラインの遵守検査を受けた事業所の割合は56%以上、2015年、年に一度実施される技術検査を受けた事業所の割合は63%(2014年は皆無)。304人が採掘事業をめぐる環境法の施行についての研修を受講。

ブルンジ

  • 2012~13年、総合申請所が新設された結果、建築許可取得の所要日数が137日から99日に短縮。

C

カンボジア

  • 2011~15年、教育省の職員5,487名が、運営管理、評価、財務管理の能力向上と高等教育の認定取得のための研修に参加。

カメルーン

  • 2013~15年、採掘権発行の所要日数が11日から5日に短縮。同プロジェクトの下、採掘権の行政管理の近代化と、鉱業セクターの透明性向上のためのウェブサイトの開設に貢献。(www.mines-cameroun.cm

中央アフリカ共和国

  • 2014~15年、政府の行政能力向上と、内戦後の公務員給与システムおよび関連財務管理システムの再建を目指す「中央アフリカ共和国緊急公共サービス対応プロジェクト」により、税徴収額が50%増加するなどの成果を達成。税収増加を受け、政府のサービス提供機能を再建。

チャド

  • 2014年の時点で、政府の歳出ネットワークが完全にコンピュータ化され、他の17の政府機関も財務省のコンピュータと連結されたため、各政府機関は予算報告書の迅速な作成が可能に。2012~16年の予算情報がすべてウェブサイトで一般に公開。(www.pamfip.org

G

ガーナ

  • 2013~15年、政府のデータ・ウェブサイトに公開されたデータセット数が100セットから1,324セットに増加。

グレナダ

  • 2013~14年、規制改革により観光収入が35%近く増加。

ギニア

  • 2015年、ギニアの採掘事業の内、確立された基準に沿って財務管理報告書を作成した事業所の割合は50%、また同年、環境監査の対象となった事業所の割合は43%(2012年は双方とも皆無)。2012~15年、探査ライセンス取得の所要日数が60日から30日に短縮。

H

ホンジュラス

  • 2011~15年、政府が予算についての情報公開を推進した結果、トランスペアレンシー・インターナショナルによる予算の透明性指数のスコアが、11点(100点満点)から42点に改善。

K

ケニア

  • 「MajiVoice」と呼ばれるソフトウェアにより、市民が給水サービスについてのフィードバックをオンラインかSMSを通じ、リアルタイムで送信可能に。このサービスにより、ケニア最大の公益事業体による苦情処理率が46%から94%に増加し、処理時間が半減。  

コソボ

  • 2008~15年、紛争後の借地借家権の安定と不動産市場整備を図るプロジェクトにより、不動産売買登録の所要日数が30日から約10日に短縮。

L

ラオス人民民主共和国

  • 2013~15年、森林管理協議会(FSC)の設定した基準に合致した森林面積が806平方キロから1,321平方キロに拡大。同期間に、スマートフォンを用いた違法行為の報告ツールが開発されたことで、違反件数が744件から390件に減少。
  • 2010~15年、探査・採掘事業を対象とした現場検査の内、国際基準に則り、より改善されたシステム・手続きを用いて実施された検査の割合は32%。2015年、契約管理、財務分析、会計、環境・社会管理についての研修を受けた公務員は1,631人。また、採掘産業を対象とした新規規制6件が承認。

レソト

  • 2014~15年、国のビジネス環境改善、金融アクセス拡大、選ばれた非繊維セクターの開発による国の経済多角化のためのプロジェクトの下、28,616人が恩恵を享受。
  • 2013~15年、5つの優先課題の内2つで、100の非政府組織を対象にHIV大流行への対応に関するトレーニングを実施。

M

マラウイ

  • 2012~15年、採掘事業の内、環境認証制度の対象となった事業所の割合が50%から100%を達成。また、標準化された使用料、納税額、規制の原案作成、採掘産業税務管理局新設、歳入管理に関する手引き・モデル導入が行われ、さらに2015年の時点で、同管理局と手引き・モデルの利用が開始。

マリ

  • 2011~15年、自治体の行政管理に対する市民の認識が48%向上。2015年、都市部の自治体のすべてが、アクセスや実績ベース贈与に関する最低条件に合致。

モーリタニア

  • 2012~14年、公共資源管理改善のための改革を通じ、税徴収額が50%近く増加。

モルドバ

  • 2010~15年、オンライン情報管理システムにより、社会援助プログラム下の申請処理日数が、30日から8.4日に短縮。
  • 2011~15年、行政サービス近代化プロジェクトの下、35の公的機関の112の情報システムをクラウド上に移行できるクラウド・コンピューティング環境「Mクラウド」を導入。また同プロジェクトの下で、政府の800以上のデータセットと行政サービス用ポータルを備えた政府データ公開ポータルを導入。同プロジェクトの下、2,200人以上の公務員と政府職員にe政府の研修を実施。

モンゴル

  • 2011~15年、技術協力プロジェクトにより、国際基準に沿った会計・監査のための法律を可決し、データ収集後に行政サービスや補助金を最貧困世帯に集中させるデータベースを構築。同プロジェクトの下、調達計画、入札案内、落札に関する情報を政府の調達専門ウェブサイトに掲示することで、政府の調達プロセスにおける透明性向上に貢献。

N

ネパール

  • 政府によるジェンダーに配慮した予算の導入により、女性を直接支援する活動への予算の導入により、女性を直接支援する活動への予算配分が着実に増加し、2015年は予算全体の19%を達成。

ニカラグア

  • 2012~15年、土地所有権・登録サービスの改善を通じて所有権強化を図るプロジェクトにより、458,557人(内、半数以上が女性)が恩恵を享受。42,000世帯以上が所有する不動産についての法的文書を受領。

ナイジェリア

  • 2015年、公的機関の契約の内、自由競争により決まった契約件数の伸びが、85%を記録(2009年は20%の伸び)。
  • 2009~15年、8州で、支払い承認に関する法的枠組みを改訂し、7州で、法律制定を通じ政府の調達管理を行う規制機関を設置。

P

パキスタン

  • 2009~15年、2,570万人が社会的セーフティネット・プログラムの恩恵を享受。2009~14年、デビットカード、携帯電話、スマートフォンを通じて29億ドル以上の現金給付を実施。同プログラムの下、行政サービスが最貧困層に確実に行きわたるよう、2,700万世帯以上のデータベースを構築。
  • シンド州の税徴収が、2012~13年度の340億パキスタン・ルピーから2013~14年度は420億パキスタン・ルピーに増加。
  • 2013~16年に構築された76のウェブサイトで情報の積極的公開を進めることにより、パンジャブ州の政府機関の透明性が向上。同期間に、重要な行政サービスに関する市民からの問い合わせ件数が5万件から17万件に増加。さらに、2016年の時点で、医療施設、獣医サービス、教師・生徒の出席率など、216のサービスをモバイル端末を使って監視。

R

ルワンダ

  • 2012~15年、ウェブベースのソフトウェアを通じて、ルワンダの全30地区の統計専門家を対象に、戸籍などの重要な統計に関する研修を実施。2015年時点で、公文書館の業務が開始され、生活水準に関する過去3回の主要世帯調査のデータ・アクセスとダウンロードが可能に。

S

シエラレオネ

  • 2008~13年、不法漁業を取り締まり、地場の小規模漁業者専用の水域を設定するプログラムにより、漁業セクターからの公的収入が、90万ドルから380万ドルへと、5年間で322%拡大。

タジキスタン

  • 2013~15年、高等教育就学者の内、女性の占める割合が、28%から37%に増加、2013~14年、全国大学進学試験に出願した女性の数が24%増加。
  • T

タンザニア

  • 2014~15年、IDA支援プロジェクトの下で統計法が制定されたことにより、タンザニアの公式統計システムの統率と連携に携わる国家統計局の権限強化に貢献。

U

ウガンダ

  • 2006~13年、不動産登記の所要日数が、225日から52日に、事業登記の所要日数は135日から2日に、それぞれ短縮。
  • 「東アフリカ公衆衛生臨床検査所ネットワーキング・プロジェクト」の一環として、全国結核検査専門研究所がISOの「ゴールド」のレベル評価を受けたことで、WHOの超国家検査専門研究所としての認定を取得(アフリカでは2例目)。

ウズベキスタン

  • 2011~15年、保健制度改善プロジェクトの一環として、7,406人の医師と22,086人の看護師に研修を実施。

2016年6月14日更新