現地通貨ファシリティ(LCF)

目的と追加性

LCFは、現地通貨での手段が未発達あるいは全くないIDA諸国、脆弱国や紛争影響国において、IFCが影響の大きいプロジェクトに対して現地通貨でファイナンスを提供できるようにします。このファシリティは、通貨ヘッジ策がない、あるいは限られている市場で運営しているクライアントを対象としています。

本ファシリティは、国内銀行、外為取引所、中央銀行等既存の手法との補完性を促しながら、IFCが現地通貨建ての融資を行えるよう設計されています。IFCは、PSWが支援するプロジェクトに現地通貨を財源に充てようとする際は「解決策の階層(solutions hierarchy)」に従います。IFCは、LCFが提供する方法に頼る前にまず、必要な通貨を市場にある既存の手段、外為取引所等非市場の提供者や、PSW適格国の既存または新しいIFC流動性手法を通じて提供できるよう模索します(表図5参照)。

本ファシリティは、IFCが現地通貨で様々な運営を行えるようLCFを裏付けるために割り当てられるIDAの資金によって支えられることになっています。本ファシリティは、4億ドルと明示されているPSWの資金の指定割当額までのみ、PSW適格国でのIFCの業務のリスク移転手法として機能します。IFCが実行された融資や投資の信用リスクを引き続き保有しますが、LCFの主要な業務は以下のリスクをカバーします。

カウンターパーティ信用リスク.1  IFCのリスクヘッジの相手先の信用格付けがIFCの標準的な取引先基準を満たさない場合や非伝統的な取引先の場合、取引先信用損失をLCFの資金で負担します。

短期資金を現地通貨建て商品で管理する際の市場と信用リスク:価値の下落が予想されていた場合はクライアントが負担する一方、PSWがその債券の発行益を支払まで一時的に投資していた現地の投資プロジェクトについて価値の下落が予想されていなかった場合はPSWが負担します。

移転・変換リスク:現地の取引先を使う場合、IFCはデリバラブル・スワップを提供できますが、その市場リスクをオフショアで調達したノンデリバラブル・スワップでヘッジします。対象となるヘッジされた融資が満期を迎えた際、損失なしで通貨を変換・移転できない場合はLCFの資金でカバーします。

オープンな通貨・金利リスク:市場での解決策がない場合、IFCは通貨と金利リスクをLCFでヘッジし、LCFはヘッジされた投資の期間中の市場金利の変動によって生じるいかなる損失も負担する(あるいは利益を受け取る)ことになります。LCFは、オープンなリスクをヘッジする戦略をとることも含め、LCFの資金が晒されるリスクの多様化を容易にするためにIFCによってポートフォリオ・ベースで積極的に管理されます。IFCがLCFを用いて実行した現地通貨建ての投資について実際の、実現された損失が発生した場合、IFCは損失額の弁済のためIDAに支払の請求を提出します。.2 LCFは、IDAがIFCの直接の取引先の場合も、その他の機関がより適切にその役割を担う場合でも、最小限の譲許性の原則に基づいて運用され、本ファシリティの資本枠組みと整合的である必要があります。

照会先:ケビン・カイム、プルンシパル・ファイナンス・オフィサー、IFC(Kevin Kime, Principal Financial Officer, IFC) kkime@ifc.org


図表:LCFは、既存の手法との補完を促しながら、IFCが現地通貨建ての融資を行えるよう支援します。


[1] カウンターパーティ信用リスクはIFCによって評価されます。

[2] あるいは、LCFが通貨建ての融資を容易にするため市場リスクをとっている場合、LCFは利益や損失を実現するため、IFCとのスワップ契約でキャッシュ・フローを交換します。