非譲許的借入

非譲許的借入政策(NCBP)はIDA理事会が2006年7月に採択したもので、IDAグラントの適格国と多国間債務救済イニシアチブ(MDRI)の下、IDAだけから支援を受けている国(2017年度のグラント適格国とMDRI後の国)(pdf)に適用されます。重債務貧困国(HIPC)イニシアチブとMDRIによる債務減免により、対象国の借入枠は拡大しました。ポジティブな動きではあるものの、新たな借入枠が適切に管理されなければ対外債務が急速に膨れあがり、各国の債務負担リスクを基に配分されるIDAグラントへの要求が高まるおそれがあるという懸念が生じています。

NCBPは債権国の啓蒙と借入国の借り過ぎリスクの低減という2つの柱で構成されています。債権国の啓蒙により、NCBPは他の債権国が債務持続可能性に関する検討事項と債務持続可能性の枠組み(DSF)からの情報を踏まえて融資を決定することを目標に掲げています。借入国に対する2本目の柱には、債務管理の取り組みが含まれており、借入国が債務を管理することと報告要件の順守強化に改めて重点が置かれています。第2の柱にはNCBPに違反した場合の融資減額やIDAの融資条件の調節など、IDAの対応も盛り込まれています。

NCBPが際立っているのは、対象国の債務の上限を設定した点です。現行のIMFとの取り決めにより、万一最低水準の引上げが必要な場合、NCBPでは最低グラントは35%以上とされています。しかし、NCBPは非譲許的融資を無差別に制限するものではありません。ある国のマクロ経済と公共財政の管理能力、債務の脆弱性に基づいて債務の上限を設定する差別化の手段が盛り込まれています。異なる非譲許的融資への適格性は年度毎に更新されます。

2014年にIMFが支援するプログラムの公的債務の上限(IMFが支援するプログラムの公的債務の上限)の改正が行われたことを受け、柔軟性と透明性を高め、債務上限政策(DLP)との調和を図るためにNCBPの実施の取決めが調整されました(IDAの非譲許的借入政策を参照)。